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【中小経営視点】消費税増税に伴う 賃金引き上げの影響を考えてみた

消費税増税に伴う最低賃金底上げの影響を考えてみた

こんばんは。ダイコーです。

 

先日、消費税増税を控えてクレジットカードの加盟店手数料が上限設定される可能性があるとのニュースがありました。

詳しくは下記の記事を参照下さい。

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クレジットカード手数料上限設定がつくる波紋と未来

こんばんは。ダイコーです。 クレジットカードの手数料上限が設定される可能性がある、というニュースが流れました。 これは結構なインパクトのあるニュースです。 えっ。そんなに影響ある? クレジットカードに ...

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加えて”最低賃金の引上げ”が経済財政諮問会議で具体的に話されるようです。

今日は最低賃金の引上げが企業にもたらす影響について考えてみました。

読むときはぜひ考えながら読み進めてみて下さい。ぱっと読みでは見えにくい行間があります。

そこに重要なエッセンスが入っています。

 

経済財政諮問会議とは?

経済財政諮問会議とは、内閣府に設置されている重要政策に関する会議の1つです。

設置根拠は内閣府設置法第18条に基づいています。

内閣総理大臣(2018年11月現在では安倍晋三氏)がトップとして、経済全体の重要な事柄を調査・会議します。

 

何故賃金の引上げを検討するの?

賃金の引上げ議論は10月5日の経済財政諮問会議でも議題に上がっていました。

議事要旨では、以下のように提案されています。

1つ目は、最低賃金の更なる大幅な引上げ。
2つ目は、高齢者雇用を大幅に促進する観点から、事業者に対して、65歳以上を雇用するインセンティブを作る必要があるということ。
3つ目は、多くのパートタイマーの方々の所得を増やして、数百万人単位で行われている就業調整を可能な限り減らすため、正社員化への促進や時給アップを一層図るべき。
4つ目は、企業の設備投資を促進するため、Society 5.0の実現に資するAI、IoTへの投資や、地球温暖化問題に対応するための省エネ投資に対する大幅な減税措置を行うべき。

平成30年10月5日 第12回経済財政諮問会議 議事要旨より抜粋
伊藤元重 学習院大学国際社会科学部教授の言葉

伊藤氏は色んな議題に色んな角度から賃上げの必要性を訴えています。

特に来年の消費税増税は、過去の増税時に駆け込み需要&引上げ直後の消費低迷の実経験があるため、消費低迷が起こらないように対策を立てたい意向のようです。

賃金の引上げは消費低迷を解決するの?

賃金が増えれば使えるお金が増える。

消費税が増えても、所得総額が増えて使えるお金がプラマイゼロならば、消費低迷は起こらないだろうという考えですね。

シンプルで正しいと思います。

問題は起こらないの?

問題は起こると見ています。

局所的に見れば賃上げは正しいのですが、実際のところ、経済の流れのどこか1点を強めると、流れにひずみが生じます。

みんなで大きな紐を持って、円形でグルグル歩きながら周っているイメージを持って下さい。

経済の流れを示す画像です

安定的に周っている。これが経済です。

ここで、誰かがいきなり急に走り始めたとしても、前の人にぶつかるし、後ろの人は引っ張られて転びかけます。

経済は許容される範囲内で常にちょっとずつ進んでいく動きを好みます

最低賃金の底上げがもたらす影響は、必ずひずみとなって現れます。

 

経営者にもたらされるひずみ

シンプルに考えてみて下さい。

ルールによる賃上げは、会社にとってなんら利益がありません

経営者が給料アップを考えるときは

  • 生産性が向上したから給料を上げる。
  • 業績が良かったから給料の底上げをする。

そういった受給バランスがあってこその賃上げで、理にかなっています。

しかし最低賃金の引上げは、企業の収益力には関係なく給料だけが上がることになります。

例えば900円が1,000円に変わると、企業は11%の負担増です。

企業が潤沢な利益を得ていて、どっしり構えられるなら、ひずみがきてもコケたりしません。

しかし芯の定まっていない中小企業においては痛手になりかねません。

世の中の99.3%以上が中小零細企業であることを考えれば、ひずみは無視できないリスクです。

 

経営者が考えるべき対策

大きな世の中の流れはわかったけれど、どうしたらいいの?という話ですね。

このサイト全体を通していつもお話していることですが、世の中の流れはどうしようもありません

そうした危険性があると予測した上でどう対策を立てるか、がカギとなります。

ひとつは、先に打って出るパターンです。

敢えて自ら賃金を上げにいく。

例えば、最低賃金が1,000円をこえてもいいように、1,200円以上でしか募集しない。

どうせ上がるなら、良い人材を得るために思い切って賃金を高く設定しよう!と考えて、1,800円に設定するのもありです。

これは体感ですが、時給1,000円の人2人よりも、時給2,000一人のほうが生産性が高いことはよくある話です。

それはまた別途コラムで記載しますね。

 

別の方法として、時給制で人を採用しない、という手段もあります。

業務委託でもよし、全て機械化するもよし。

雇用の創出は社会的にすごく意義のあることですが、貴方が潰れてしまったら大きな社会的損失です。

無理せず、自分のスタイルを創りましょう。

無理と見栄は、自分の人生を苦しめてしまいます。

まとめ

賃金の引上げを前提として、対策に動く。

これに尽きます。

消費税増税は目前に迫りました。

それに伴う動きが世の中に徐々に現れてくるでしょう。

そのときに備え、今から何をするか。

貴方の進める船の前には、大きな岩が隠れているかも知れません。

座礁しないための手段は、早ければ早く打つほど少ない労力で済みます。

 

それではよい経営の舵取りを!!

 

 

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