時事 経営

デジタル課税がスタートしたら、どうすべきか

デジタル課税について詳述します

こんばんはダイコーです。

デジタル課税の導入をイギリスが検討し始めましたね。

このコラムでは、

  • デジタル課税とは何?
  • デジタル課税の採用によって何が変わるの?
  • どのような影響があるの?

といった疑問を解決します。後半は経営者に向けた姿勢・マインドの話になっています。

 

デジタル課税とは?

デジタル課税は、IT関連産業の売上に対し課税する税金です。

タックスヘイブンを活用して世界的に節税をしている企業、特にGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)に対する課税措置といえます。

GAFAの4社は節税額が兆円単位とも言われており、OECD(経済協力開発機構)を始め各国が課税をしたいと考えています。

『自国の国民にサービスを売るなら、自国に税金を落とせ』と。国としては当然の発想です。

タックスヘイブンって何?よく聞くけど詳細は分からないや、という人は下記の記事も参照下さい。

詳解
タックスヘイブンの現状

こんにちは。ダイコーです。 今日はタックスヘイブンについて解説します。2018年11月5日現在の情報となります。 税金対策として、今後はかなり身近な話題になります。 今のうちに知識をつけておきましょう ...

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デジタル課税が抱える2つの問題

デジタル課税は現状【売上課税】というかたちを取らざるを得ません。

それ以外の項目は不透明性が高まり、調整されてしまうからです。客観的事実に基づいた判断基準が必要です。

 

しかし、売上課税方式は2つの懸念材料を持っています。

  • 多重課税
  • 最終活用者に対して税負担のしわ寄せ(価格転嫁)

の2つです。

どういうことかと言いますと。

たとえば、100,000円の商品をGoogleAmazonから買うとします。
デジタル課税が10%だとすると、Amazonは100,000円の商品を売るので、10%にあたる10,000円の納税が発生します。

ということは今までより10,000円利益が減ってしまいますよね。

利益を減らさないためには、10/9、すなわち1.11…倍の値段設定にする必要があります

100,000円×9/10 = 111,111円

つまり、いままで100,000円で売っていたものを、111,111円で売るようになります
これが価格への転嫁です。

 

Googleが、続いて仕入れたものを今度はAppleに売却するとします。
Googleが元々は120,000円で売り、20,000円の利益を得ていたとしましょう。
仕入れの値段が上がってしまったので、価格を上乗せせざるを得なくなりました
さらにデジタル課税も10%かかります。そのため、20,000円の利益を変わらず得ようとすると

(111,111円+20,000円)×9/10 = 145,679円

145,679円で販売しないといけないことになります。単純に20,000円足すだけでは利益が減ってしまうのです。

Amazonがデジタル課税を支払っているのに、Googleも利益分だけでなく、もう一度全額についてデジタル課税を支払うことになる。
これが多重課税問題です。

 

さらに、Appleエンドユーザーに20,000円の利益を乗せて売るとすると
デジタル課税がなければ、Appleは140,000円で売ることが出来ていたのに、
デジタル課税によって184,088円で売らねばならなくなります

エンドユーザーは、140,000円で購入できていたものが、184,088円支払うことになるのです。

 

多重課税問題価格への転嫁問題
この問題の行き着く先は、エンドユーザー(最終購入者)が全ての多重課税分を背負うことになってしまう現実です。

3社で上記のようなイメージです。
実際はもっと多くの企業を経由している商品もあるでしょう。

簡単に言えば、いままでの倍の価格になってもおかしくないということです。

 

大事なのは国の動きではなく、自社への影響

実際に、そこまでしないと徴税できない国も多いし、徴税出来た場合の税収が巨額であることも事実でしょう。

これから各国がどう動くか?は予測が色んな記事として出ていますので、参照してみてください。

 

でも大事なことは、こうした各国の動き、国ごとの方針の先を憂うことではありません

その方向性、トレンドを捉えて、

  • では自分はどう動くのか?
  • 自社はどうすべきか?

を考えることです。

国のことを考え、憂うのは主に政治家の仕事です。
我々は有権者として彼らに委任しているのですから、我々も自分の責務を全うしましょう

やるべきことは、自社の未来を考えることです。

しわ寄せが自社にくる可能性。その一点を懸案事項として常に持っておきましょう。

デジタル課税が発生するなら、

  1. デジタル課税の回避方法を探るか。
  2. デジタル課税を飲み込む前提で他社と差別化を図るか。
  3. もしくはデジタル課税がどこまで自社に影響を及ぼすかを考え、値段設定の変更を検討するか。

考えうることはたくさんあります。

備えあれば憂い無しとはそういうことです。

常に考えることを怠らないように。

 

それでは良い経営を!!

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