こんにちは、ダイコーです。
このページでは公正証書の作り方をお伝えします。
今ココをご覧になっているということは、公正証書を作る必要があるということでしょうか。
前向きな理由でなければ、出来れば作らずに済むのがベストですが。。。
作らねばならない以上は、仕方ないですね。きっちりと完璧に仕上げ、あとで負けないようにしましょう。
公正証書とは?
簡単にいえば、通常の契約書に、第三者のお墨付きを添えるものです。
しかし、その効力は凄まじいものです。裁判の決定に匹敵します。
たとえばあなたが公正証書を交わすとして、
『期限の利益を喪失したときは即日全財産の差押を受けることを了承した』
と書かれていれば、約束の期日に1日でも遅れたら、
貴方は即刻全財産を差し押さえられても文句は言えません。
普通の契約書だけだったら、仮差押をして、裁判をして、勝って、
返済期日を設定して、その期限を超えたら・・・みたいな流れになるのですが、
それらを全てすっ飛ばして、本差押をするだけの効力があるのです。
よーく考えて結びましょうね。
公正証書はどこで、誰がつくるの?
公正証書は、公証役場で公証人が作成してくれます。
公証人は公的な立場で、契約等について、第三者のお墨付きを与える、かなりの重役です。
先程話したとおり、公正証書は凄まじい効力を持っています。
公証人に虚偽の事実を申告して公正証書を作成させてしまった場合、
公正証書原本不実記載等罪という罪に問われる可能性があります。
(5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(刑法157条1項)。)
くれぐれも嘘のないように。
どうやって作ればいいの?
手順は下記のとおりです。
なお、今回は お金の貸し借りについて、公正証書作成を一人で頑張る.ver ということで
貴方が債権者、相手が債務者、相手は公証役場に行けないので、貴方が立てた代理人に依頼する
というケースを想定しています。
step
1契約書の原本をつくる
step
2委任状を作成する
step
3委任状を契約書の上に乗せてホッチキス止め
step
4債務者に捺印・割印させる
step
5公証人のアポをとる
step
6代理人と一緒に交渉役場へ行く
step
7締結、謄本を債務者へ渡す
契約書の原本をつくる
まずは、通常の金銭消費貸借契約書を作成しましょう。
『金銭消費貸借契約 雛形』などで検索すると結構出てきますので、書きやすそうなフォーマットを選びましょう。
なお、作った後に不安がある場合には、公証人に事前相談することも出来ます。
公証人に予め相談しておけば、いざ当日になって
「この書類では公正証書に出来ませんね」「えっ。。。」
なんてことはなくなります。フルに活用していきましょう。
委任状を作成する
公正証書を作成するとき、債務者は大抵公証役場へ行くのをためらいます。
面倒だからです。
でも、こちらとしては締結しておかないと、いざという時にとてつもなく時間や手間を掛けることになります。
そこで、委任状をもらっておきましょう。
委任状は、債務者が代理人に代わりに行ってもらうことを依頼する文書です。
委任状を契約書の上に乗せてホッチキス止め
委任状は、契約書の上に重ね、一緒にホッチキスで綴じます。
1枚目(委任状)の裏と2枚目の表(契約書の1枚目)の境目に、契印を押して提出します。
別々にしてあると、何の委任状か?がわからなくなってしまうからですね。
間違えやすい点ですので割り印はご注意を。
契約書が複数枚の場合に、契約書のページの継ぎ目にも割り印を求められる場合があります。
押しておいても損はないので、押せるなら押しておきましょう。
債務者に捺印・割印させる
債務者に、契約の日時と場所を連絡しましょう。
貴方が指定した場所で良いと思います。相手が借りる側ですからね。
そのときに、実印と3ヶ月以内の印鑑証明書1通を持ってくるよう伝えてください。
印鑑証明書は発行後6ヶ月以内で良いそうですが、期限ギリギリは怖いですし、改印されている可能性もあります。
出来る限り直近の日付のものを、今回のために取得させましょう。
金銭消費貸借契約書と委任状がセットになったものに実印で押印、
委任状は、債務者の氏名の横に債務者の実印で押印してもらいましょう。
また、委任状をめくり、委任状の裏面と金銭消費貸借契約書の表面とを割印します。
もし修正があったときに、こっち(正確には公証人がやってくれる)で修正が出来るように、
委任状と金銭消費貸借契約書の上部に捨印をもらっておきましょう。
公証人のアポをとる
公証人のアポは、担当の方の忙しさ次第できまります。
直近1~2日で取れる場合もあれば、1週間先のこともあります。
もし債務者と契約を結ぶ日が確定しているなら、先に予約を取っておくと○です。
代理人と一緒に交渉役場へ行く
日時を合わせて公証役場へ行きましょう。
公証役場に行き、受付の方に「○○時に〇〇公証人とお約束を頂いております」と伝えれば、案内してくれます。
たまに、直接公証人のところまで行ってOKの役場もあります。事前に電話の際に確認しておきましょう。
必要なものと費用はどれくらい?
必要なものは下記のとおりです。
持っていくものリスト
- 金銭消費貸借契約書(委任状が一番上についていて、割印のあるもの)
- 相手(債務者)の印鑑証明書
- 貴方(債権者)の印鑑(認印もOK)
- 代理人の印鑑(認印もOK)
- 貴方(債権者)の本人確認書類(運転免許証など顔写真付のもの)
※保険証はダメです。 - 代理人の本人確認書類(運転免許証など顔写真付のもの)
※保険証はダメです。
また、交渉人へ支払う手数料や、印紙代(公的な書類にかかる税金です)は以下のとおりです。
公証人の手数料
債権額 | 公証人手数料 |
100万円以下 | 5,000円 |
200万円以下 | 7,000円 |
500万円以下 | 11,000円 |
1000万円以下 | 17,000円 |
印紙代
債権額 | 印紙税額 |
1万円未満 | 非課税 |
10万円以下 | 200円 |
50万円以下 | 400円 |
100万円以下 | 1,000円 |
500万円以下 | 2,000円 |
1000万円以下 | 10,000円 |
これに、正本・謄本作成費用(250円×枚数)と送達費用(1,400円+郵送料実費)がかかります。
ざっと計算して、公証人手数料+印紙代+5~6千円というイメージです。
締結
本人確認の後、書面の読み上げ、捺印などを行います。
公証人が基本的には全部の流れを説明してくれるので、その指示通りに動きましょう。
最後に正本を受け取れれば完了です。
(代理人が謄本を受け取ります)
まとめ
以上が代理人を立てた場合の公正証書を締結する際の流れと必要な資料でした。
本来作らずに済むのが一番ですが、つくるときには是非このコラムが少しでも役に立てば幸いです。
なお、お金を貸すべきかどうか迷っている人は、ぜひこちらの記事も参照してみてください。
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それでは、幸運を祈ります。