こんばんは。ダイコーです。
カルロス・ゴーン氏の逮捕の件について触れていきます。
なぜ給料を過少申告する必要があったのか・・・?
も知りたいところですが、
経営者が学ぶべきこととして、真実が何かは時として重要ではありません。
結果をもたらした原因を考え、自分に活かすことが重要です。
それが例え真実からくる結論でないとしてもです。
カルロス・ゴーン氏の逮捕において考えるポイントは以下の3つです。
- 彼が日産で出した功績は?
- 内部告発は何故起こったのか?
- 適正報酬とは?
では順に考えていきます。
彼が日産で出した功績は?
収益面から見てみましょう。
カルロス・ゴーンが就任した2000年以前は、営業利益が1%台だったといいます。
彼が就任してからは、営業利益は平均5%台ヘと増加しました。
詳細は「日産リバイバルプラン」で検索してみて下さい。
彼がとった戦略が当時の日産には見事に適合しました。
2003年6月には負債を全額返済。国内シェアも12%から約20%台まで回復させています。
2017年は、売上11兆9,512億円、営業利益5,748億円(売上高営業利益率4.8%)、当期純利益7,469億円です。
2000年は、売上5兆9,770億円、営業利益826億円(売上高営業利益率1.4%)、当期純損失6,844億円です。
次に人事面です。
コストカッターとも言われたカルロス・ゴーンの大幅なコストカットの断行は当時賛否両論ありました。
しかし、ぶくぶく太った日産には効果覿面でした。
大幅な人員削減のメリットは、ぶくぶく体質や慢性的なけだるい職場には刺さります。
現場の人間に対する危機感を否が応でも煽ることが出来るからです。
眠っていた人材は目覚め、優秀な人材は自分が評価されるチャンスが来たと捉えます。
不平不満を漏らす社員に去ってもらうだけで、実は企業の体質は筋肉質になります。
ただし、コストカットなどの心理的圧迫が強い対応は、一気にやる必要があります。
これは帝王学ですが、「ほめるは人前で毎日。叱るは対面で一時に。」が鉄則です。
また、残った人材が、残ることが出来たことに誇りを持てることも大事です。
詳細はまた別途まとめますね。
話を戻しましょう。
カルロス・ゴーンは、優秀な人材が評価される環境の創出も行いました。
優秀な人材が適正に評価されると、組織は伸びていきます。
しかし、評価は行き過ぎてもダメ、足りなくてもダメです。
カルロス・ゴーンが創出した雇用環境に対する社内の声は決して悪くないようでした。
数値化の難しいところですが、私は人材評価環境は良かったのではないかと推測しています。
以上を踏まえると、カルロス・ゴーンの日産に対する貢献度はどの程度だったのでしょうか。
一時の利益増加のみならず、継続的に収益が上がる仕組みを構築したところが大きな成果でしょう。
これに対し、20億円前後の役員報酬。
どうでしょう。妥当か不等か。
内部告発は何故起こったのか?
次になぜ内部告発は起こったのかを考えます。
内部告発が起こった原因は「不満があったから」です。
それは、今回の報酬虚偽報告が信義忠実に基づいていないことが原因かも知れません。
悪い形で発覚すれば上場も危ういかも知れません。
しかし、それだけではないと見ています。
カルロス・ゴーンが2000年から実行した改革は成功しました。
しかし、筋肉質な組織を作ったからといって、世間の目はそれほど甘くは見てくれません。
常に進歩を期待します。
その期待に答え続けるだけの成果を近年見せることができていたか?は難しいところです。
実際は見せ方が大事なのですが。
また、政治的な側面も見え隠れします。
ルノーはフランス政府の息がかかっています。
ルノーは日産の支配を強めたい意図がありました。
カルロス・ゴーンがルノーのCEOでいるための条件として日産の支配がありました。
これらを踏まえると、純粋な日産側の人間は、不満を持ちます。
カルロス・ゴーンは味方なのか敵なのか。
その結果が今回の答えに行き着いています。
私としては、支配権を他者が持つことは本当に難しいと考えています。
その時点で、自分の自由度はぐっと下がるからです。
それは自分の実現したいものが実現できなくなるということ。
経営者が創業する根本に立ち返ると、上場は明確な目的があっての一つの手段と考えるべきでしょう。
適正報酬とは?
適正報酬は、本人と他人とでは必ず違います。
そのギャップを埋めることは恐らく、不可能に近い。
ではどうすべきか。
私は二択だと思っています。
1)公表せず、自分だけで管理する
上場企業では無理ですけれども。
2)予め納得されるように十二分に周知しておく
2)も難しいのですが、何もしないよりずっと効果があります。
そして、もしこれだけの報酬を得るだけの働きが出来るのであればいつでも交代します。という姿勢が大事かなと思っています。
公平性は不満を薄めます。
まとめ
カルロス・ゴーン氏の逮捕における真実より、その事実から我が身に置き換えたときにどう活かすか。
これが、明日の自分への糧となります。
ニュースは常々自分に置き換えて考えていきましょう。
私自身も反省しながら考えておりますので、一緒に高みを目指しましょうね。
それでは良い経営を!!